第62回 日本男児も言ってみよう、「なに着てく?」
結婚式に招かれて「ねえ、なに着て行こうかしら?」とささやきあうのは、日本では女性たちだけだろう。男性の式服は黒と決まっているのだから。だが、アメリカでのカクテルパーティーに「制服」はない。行ってみたら、自分だけがカジュアルで大恥をかいたという人もいるだろう。自分の恥ですむ分にはまだましだが、相手に失礼になることもある。
じゃあどうすれば、という方には、先の女性陣の科白を思い出していただきたい。知り合いで招待されている人に、事前に「なに着てく?」と情報提供を迫るのである。吉良上野之介のような意地悪はいないから、赤っ恥をかくという事態はまぬがれるはずだ。もっとも、タキシード着用というパーティーならば、おおむね招待状に服装の指定があるはずだから、招待状には丁寧に目を通すこと。せっかくジョークまで仕入れてパーティーに臨んだのに、服装で引け目を感じて、「壁の花」ならぬ「壁のシミ」になっては、経済大国ニッポンの企業戦士が泣こうというものだ。